今回は食道・胃静脈瘤という病気について紹介したいと思います。
あまり聞いたことがない方が多いかもしれませんが、肝硬変と密接に関係している病気です。どんな病気なのか記載したいと思います。
どんな病気?
食道・胃静脈瘤は文字通り、食道や胃の血管に静脈瘤(血管の膨らみ)ができる病気です。
症状がない場合が多いのですが、胸のつかえ感などを感じることがあります。
静脈瘤ができる主な原因は先に述べた肝硬変があげられます。
肝硬変になると肝臓が小さく硬くなるため、血液が肝臓に流れにくくなります。そのため、本来肝臓に流れるはずだった血液が、胃や食道の血管を通るようになり、それらの血管は負荷が高くなるので太く、そしてもろくなります。この太く膨らんだ状態が静脈瘤です。
肝硬変について
肝硬変が主な原因ということなので、肝硬変についても触れておきます。
諸々の要因により肝臓に慢性的な炎症が起こり、肝細胞の破壊と再生が繰り返される状態がおきます。細胞が再生するたびに「線維」というタンパク質が徐々に増えて肝臓全体に、拡がっていき肝臓が岩のように硬くなり小さくなることで、肝臓本来の機能を果たせなくなる病気です。
原因はB型やC型肝炎ウイルス感染、アルコール、非アルコール性脂肪性肝炎などがあげられます。
肝硬変が悪化すると命の危険にさらされます。
肝硬変が原因で亡くなる方の病気は、肝不全、肝がん、静脈瘤出血があげられます。
このように食道・胃静脈瘤という病気は、命に関わる病気と言えます。