日帰り手術のメリット
- しばらく安静にしている必要はありますが、自宅で過ごすため時間が有効に使えます。
力仕事は無理ですが、パソコンなどの事務的な仕事なら可能です。(椅子に座る場合は円座を使用するほうがよいでしょう) - 入院費がかからない分、費用が安くなります。
たとえば、健康保険本人(3割負担)の方であれば、7日ほど入院して手術すると負担額は10万円程度ですが、外来手術では2万5千円前後で済みます。
ジオン注射とは
大きくなって露出している内痔核に注射して小さくし、脱肛を改善していく治療法です。
今まで手術が必要と判断されていた症例でも、ジオン注射治療によって手術と同じ効果を得られます。
切除しないため痛みが少なく、出血の心配もほとんどないというメリットがあります。
当院の日帰り手術では、ジオン注射を中心に行っております。
ジオン注射治療の方法
麻酔をした後、一つの痔核に対して4カ所に分けてジオンを局所注射します。
※注射箇所は、上極部粘膜下層、中央部粘膜下層、中央部粘膜固有層、下極部粘膜下層
ジオン注射治療の作用機序
局ジオンの有効成分である硫酸アルミニウムカリウムの作用によって、痔核に炎症、線維化が起こり、痔核が退縮します。
また、もう一つの成分として含まれているタンニン酸は過度な炎症を抑え、組織障害を防ぎます。
ジオン注射治療の適応
かつては手術が必要と判断された内痔核でも、ジオン治療で済むようになったことが大きな特徴です。
もちろん、すべての治療がジオン治療で行えるわけではなく、外痔核が大きな方など他の治療法を選択することもありますが、診察結果によって判断します。
ジオン注射治療の術後の注意
入院せずに日帰りで治療できますが、治療した当日は自宅で安静にしてください。翌日から日常生活ができます。
ジオン注射治療の副作用
注射した箇所の痛みや腫れ、肛門部分が重たい感覚などが症状として現れます。
痔の予防10カ条
1毎日お風呂に入る
温まることによって血行がよくなります。
痔の予防にはお風呂が最適です。
2お尻をきれいに。
お尻が汚れているとそこに細菌が繁殖し、かゆくなったり炎症を起こしたりします。
近年はウォシュレットが普及しているので、排便の後はお尻をよく洗い、清潔にしておきましょう。
3便秘にならないように
便秘になると硬い便がたまって、肛門を傷付けます。
また、排便時に強くいきむため、肛門付近がうっ血し、痔の悪化につながります。
4下痢にもならないように
下痢は肛門を刺激するため、細菌による感染を起こしやすくなります。
5トイレで強くいきまない
排便時に強くいきむと、肛門がうっ血したり、出血することがあります。
便が出ないからといって、長時間トイレに座ることは逆効果になります。
6腰を冷やさない
肛門まわりの血行が悪くなるので、腰を冷やすのは避けましょう。
7長時間の同じ姿勢は避ける
座り続けたり、立ち続けたりしていると、肛門がうっ血しやすくなります。
ときどき軽く体操をして、身体をほぐして血行をよくしましょう。
8刺激物は避ける
下記のものは肛門を刺激するため、なるべく控えましょう。
- 酒などのアルコール類
- こしょう
- からしなどの刺激物など
9野菜をたくさん摂る
便秘を防ぐために、繊維の多いものを食べましょう。
10間違った治療は禁物
ご自身で症状を判断せず、専門の医療機関に相談しましょう。